「自分で自分の限界を設定しなければ、不可能はない」

そんなメッセージをブレイクダンスを通して届けている、多国籍ダンスチームがある。

先天的な障がいで片方の腕が短かったり、病気のために足を切断したりなど、身体障がいを持ったダンサーによるグループ、ILL-Abilities(イルアビリティーズ)だ。

Sumireko Tomita/ BuzzFeed

杖の一種のクラッチを使い、宙に浮いてポーズを決めたり、足が短いダンサーは腕力や胸部を使ってターンを決めたりする。

ブレイクダンスでは、ポーズなどの技にそれぞれ名前が決まっている。しかしイルアビリティーズでは人とは「違う」体を活かし、名前も付いていない、自分ならではの技を編み出している。

イルアビリティーズは、”No Excuses, No Limits” (言い訳なし、限界なし)というスローガンを掲げ、2007年からカナダを拠点に活動している。

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イルアビリティーズ

アメリカ、ブラジル、カナダ、チリなど6カ国から集まった8人によるこのダンスチームが来日し、渋谷ストリーム前広場で9月10日、ダンスを披露した。

障がい、国籍、性を超えた超ダイバーシティ芸術祭「True Color Festival」の一貫で開かれたダンスイベントで、日本のブレイクダンサーらとダンスバトルをした。

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イルアビリティーズのレドゥアン・アイト・チットさん

イルアビリティーズのメンバーで、オランダ出身のレドゥアン・アイト・チットさんは、先天的に右腕に肘の関節がなく、指は右手に2本、左手に3本しかない。また、右側の腰骨がなく、右足の方が短いため、義足で歩行を補っているという。

しかしダンスフロアでは、体全体を使って躍動的なダンスを繰り広げる。ダンスを通じ「前に進むことをやめるな」、そんなメッセージを伝えている。

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腕の力を活かしたダンスを生み出すチリ出身のセルジオ・カルヴァハルさん

ダンスチーム名、ILL-Abilities(イルアビリティーズ)の「アビリティーズ」は能力や才能を意味し、「イル」は一般的には病気という意味だが、ブレイクダンサーの間では、かっこいいなどという意味も持つという。

ダンスバトルでは、障がいを持ったダンサーも、障がいを持っていないダンサーも同じダンスフロアで共演し、自分の体の「違い」を活かしたパフォーマンスをした。日本からは、ダウン症を持ったメンバーによるダンスチームも参加した。

障害・性・国籍などを超えたパフォーミングアーツの祭典「超ダイバーシティ芸術祭」が、渋谷で開かれました。 障害を持った多国籍ブレイクダンスチーム・ILL-Abilitiesや、車椅子ダンサーらが、ダンスバトルを繰り広げました。

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児童・障害者福祉職に就くメンバーで構成されるダンスグループ「SOCIAL WORKEEERZ」のだいきさんは、ダンスパフォーマンス後にこう語った。

「僕は見ての通り、低身長症です。でもここにいたらそんなことは関係ない。ただのダンスが好きな人。ダンスで伝えられることはたくさんあります」

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SOCIAL WORKEEERZのだいきさん

イルアビリティーズのリーダー、ルカ・パトエリさんは「障がい者も才能を生かして、多くのことができるということが証明できる、こういう場があるというのは素晴らしいこと」と話す。

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車椅子ダンサーの神原健太さん

パトエリさんは「障がいを理由にもし自分の可能性や将来に不安を持っている若者がいるとしたら、あなたがあなたであることに誇りを持ってほしい」と話す。学生時代などの自身の経験も元に、障がいを持ちながら成長することについて、こう語る。

「成長するにつれて、社会的なプレッシャーなど課題に直面します。でも実はそのプレッシャーは自分自身が課しているものなのです」

「それを乗り越えて、自分らしさに焦点を当てることで、障害があなたに制限をかけることはないと思います」

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イルアビリティーズは各国でパフォーマンスを行い、身体障がいを持った子どもたちに「不可能はない」とのメッセージを届け、日ごろ障がい者と接点がない人々にも、障がいを持つ人々の「無限の可能性」を伝えている。パトエリさんはこう語る。

「自分の『違い』を誇りに思うこと、それがとても大事なことなのです」

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