9月23日、ニューヨークで開催された国連気候行動サミットにグレタ・トゥーンベリ(16)が登壇しました。

Stephanie Keith / Getty Images

各国首脳らに気候変動への緊急対策を求めた力強いスピーチが話題になっています。

"How dare you!"(よくもそんなことを!)という表現が繰り返し用いられたこのスピーチを、英語と日本語で見てみましょう。


重要表現

How dare you!:よくもそんなことを!

How dare 〜 で、よく〜できるね、といった意味になります。

スピーチ内の "How dare you continue to look away, " だと「よく目を背け続けられますね」。口調が強ければ「よくも〜してくれたな!」くらいのニュアンスになります。

empty words:空っぽなことば、実体のないことば、うわべだけの言葉

空っぽ、というのはつまり「具体性を欠いていること」。政治家たちの発言がうわべでしかないこと、大人たちを痛烈に批判する表現です。

「口先だけのあなたにはうんざり!」と言いたい時は "I am so sick of your empty words!"。

中身がないことを批判するとき、他の組み合わせでも "empty" が使われます。例えば "empty head(空っぽの頭)"。考えのない(人)、というような形容詞だと "empty-headed" になります。「空約束」は "empty promise(s)"。

nowhere in sight:先が見えない、目処が立っていない

直訳すると「視界のどこにも入っていない」という意味です。

「結末が見えない」、「計画の見通しが立たない」という時以外に、物理的に見えない時にも使います。

(例)He was nowhere in sight. = 彼の姿はどこにも見えなかった。

business as usual:通常通りの、変わりばえのない

店の営業時間に関して「通常営業」という意味で使われることが多いです。入り口にサインがあったら「通常通り営業しています」ということ。

しかし、スピーチ内では皮肉を込めて "business-as-usual solusions"、「なんら変わりばえのしない解決策」と用いられています。

You are failing us.:あなたたちは私たちを失望させている、裏切っている

動詞 "fail" の意味は「失敗する」。"fail someone (人)" だと「人に期待されていたことをしない」という意味の表現になります。


スピーチ対訳

This is all wrong. I shouldn’t be up here. I should be back in school on the other side of the ocean. Yet you all come to us young people for hope? How dare you!

全てが間違っています。本来なら私は海の向こう側で、学校にいるべきなのです。それなのにまだ、あなたたちは私たちの元に来ている。若者に希望を見出そうと。よく、そんなことができますね。

You have stolen my dreams and my childhood with your empty words. And yet I’m one of the lucky ones. People are suffering. People are dying. Entire ecosystems are collapsing.

あなたたちは実体のないことばで、私の夢を、私の子ども時代を奪ったのです。それでも、私は幸運な者の1人です。人々は苦しんでいます。人々は死んでいます。生態系全体が崩壊しています。

We are in the beginning of a mass extinction. And all you can talk about is money and fairytales of eternal economic growth. How dare you!

私たちは、まさに大量絶滅の始まりにさしかかっているのです。そしてあなたたちが語り合うのは、お金や、途絶えることのない経済成長のおとぎ話だけ。よく、そんなことができますね。

For more than 30 years the science has been crystal clear. How dare you continue to look away, and come here saying that you are doing enough, when the politics and solutions needed are still nowhere in sight.

30年以上前から、科学がもたらす答えはとても明確でした。見て見ぬ振りをし続け、よくも「十分やっている」と言えますね。必要とされる政策や解決策の目処すら立っていないのに。

You say you “hear” us and that you understand the urgency. But no matter how sad and angry I am, I don’t want to believe that. Because if you fully understood the situation and still kept on failing to act, then you would be evil. And I refuse to believe that.

あなたたちは言います。私たちの声は聞こえている、緊急性を理解していると。しかし、どんなに私が悲しくても、怒っていても、それを信じたくはないのです。もしあなたたちが本当に事態を把握していながら行動に移さないのであれば、それは悪でしかない。だから、私は信じません。

The popular idea of cutting our emissions in half in 10 years only gives us a 50% chance of staying below 1.5C degrees, and the risk of setting off irreversible chain reactions beyond human control.

今後10年で(温室効果ガスの)放出を半分に減らす案がありますが、それでも気温が1.5度下がる可能性は50%しかありません。人間の手中にはおさまらないような、決して後戻りのできない連鎖反応が起こるリスクがあります。

Maybe 50% is acceptable to you. But those numbers don’t include tipping points, most feedback loops, additional warming hidden by toxic air pollution or the aspects of justice and equity.

あなたたちにとって、50%という数字は受け入れられるものなのかもしれません。しかしこの数字には含まれていないことがあります。「ティッピング・ポイント」や、「フィードバック効果」の連鎖、有害大気汚染に隠されたさらなる温暖化、「気候正義」や「気候の公平性」の問題についてなどです。

They also rely on my and my children’s generation sucking hundreds of billions of tonnes of your CO2 out of the air with technologies that barely exist. So a 50% risk is simply not acceptable to us — we who have to live with the consequences.

加えてこの数字は、私たちや私たちの子どもの世代が、何千億トンもの二酸化炭素を空気中から吸収してくれるだろうという予測に頼っています。その技術は存在すらしていません。こうなると、50%という数字は、私たちにとっては受け入れ難いものになります。その結果と生きていくのは、私たちなのですから。

To have a 67% chance of staying below a 1.5C global temperature rise – the best odds given by the Intergovernmental Panel on Climate Change — the world had 420 gigatons of carbon dioxide left to emit back on 1 January 2018.

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が出した最高値を見ても、地球全体の気温上昇を1.5度以内に抑えられる可能性は67%です。とすると、2018年1月1日に遡っても、世界が放出できる二酸化炭素量はあと420ギガトンです。

Today that figure is already down to less than 350 gigatons. How dare you pretend that this can be solved with business-as-usual and some technical solutions.

今日ではその値があと350ギガトンまで減っています。それなのによく、この問題が解決できるかのようなふりができますね。変わりばえのないやり方で、技術に頼って。

With today’s emissions levels, that remaining CO2 budget will be entirely gone in less than eight and a half years.There will not be any solutions or plans presented in line with these figures today.

今の放出レベルでは、8年半以内に二酸化炭素の許容放出量を超えてしまいます。この値に沿った解決策や計画は、未だ提示されていません。

Because these numbers are too uncomfortable. And you are still not mature enough to tell it like it is.

なぜなら、この値はあなたたちにとって不都合すぎるからです。あなたたちが未熟なゆえ、現状をありのままには伝えられないのです。

You are failing us. But the young people are starting to understand your betrayal. The eyes of all future generations are upon you.

あなたたちは、私たちを失望させています。しかし、若者たちはその裏切りに気づきつつあります。未来の世代の目は、全てあなたたちに向けられているのです。

And if you choose to fail us I say we will never forgive you. We will not let you get away with this. Right here, right now is where we draw the line.

それでもなお私たちを裏切る選択をするのであれば、言わせてください。「私たちは決してあなたたちを許しません」。今、ここで、線を引きます。

The world is waking up. And change is coming, whether you like it or not.

世界は目を覚まし始めています。変化も訪れ始めています。たとえあなたたちが気に入ろうと、なかろうと。

スピーチの様子はこちらから(英語)。

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