時事通信

安倍晋三首相は9月11日、改造内閣(第四次安倍第二次改造内閣)を組閣した。19閣僚中17人が交代し、初入閣は安倍内閣で最多となる13人となった。

若手の小泉進次郎衆院議員(36)の起用でイメージアップを狙う一方、主要閣僚や党役員は留任。首相の出身派閥「細田派」からの登用は4人と最多。

側近、身内を重視し、政権の安定を図ったようだが、官邸の思惑とは裏腹に「在庫一掃」と揶揄する声もあがっている。

全閣僚の平均年齢は61.42歳。30代は小泉氏のみで、40代はゼロ。女性閣僚は2人にとどまった。事前に一部で入閣の可能性が報じられていた三原じゅん子参院議員は起用されなかった。

内閣改造、10のポイント

首相官邸

・19閣僚中17人が交代。河野太郎外相は防衛相に、茂木敏充経済再生相は外相にスライド。

・初入閣は安倍内閣で最多の13人。

・全閣僚の平均年齢は61.42歳。30代は小泉氏のみ。40代はゼロ。50代が9人、60代が3人、70代が6人。

・女性閣僚は1人増えて、19人中2人。高市早苗総務相と橋本聖子・五輪相。

・首相の出身派閥「細田派」から4人を登用。

・麻生太郎副総理(兼財務相)、菅義偉官房長官を留任させ、政権の骨格は維持。

・環境相に元復興政務官の小泉進次郎氏(36)を起用。内閣のイメージアップと、過去に総裁選で石破氏を支持した小泉氏の囲い込みを図った。

・首相側近の萩生田光一氏を文科相、西村康稔氏を経済再生相に起用。

・保守派の代表格で、日本会議と党の調整役である衛藤晟一氏を1億総活躍・少子化相に起用。

・党総裁外交特別補佐の河井克行氏を法相に起用。河井氏の妻・杏里氏は、7月の参院選(広島2区)で党本部の推薦を得て当選。岸田文雄・政調会長の地元組織である党県連推薦の現職候補を破った。

このうち、初入閣の13人を紹介する(敬称略)。

<法務>河井克行(56)

時事通信

・衆院7回、広島3区 無派閥

・首相側近の一人。法務副大臣、党総裁外交特別補佐などを歴任。

・妻(河井杏里)は、7月の参院選(広島2区)で党本部の推薦を得て当選。“ポスト安倍”候補の一人、岸田政調会長の地元組織である党県連推薦の現職候補を「同士討ち」で破った。

<文部科学>萩生田光一(56)

時事通信

・衆院5回、東京24区 細田派

・首相側近の一人。官房副長官、党幹事長代行などを歴任。

文科省の記録文書によると、加計学園の獣医学部新設をめぐり、文科省局長に「官邸は絶対やると言っている」「総理は『平成30年(2018年)4月開学』とおしりを切っていた」など首相の意向を伝えたとされる。

・参院選前の4月、消費税増税の延期を「ありえる」と発言。様々な憶測を呼んだ。

・7月、憲法改正論議を加速させるためとして、大島理森衆院議長の交代論に言及。党内外から批判を浴びた。

<農林水産>江藤拓(59)

時事通信

・衆院6回、宮崎2区 無派閥

・農水副大臣、首相補佐などを歴任。農林族議員の一人。

・特技は空手、アイスホッケー。幕末の志士の一人、高杉晋作を尊敬。

・朝日新聞(西部版)は2014年11月1日付で、支部長を務める選挙区支部が支援者に安倍首相との写真が掲載されたカレンダー約2万部を無料で配っていたと報じた。公選法では、政治家が選挙区内の人へ現金や物品などの「財産上の利益」を贈る「寄付」を禁じている。

<経済産業>菅原一秀(57)

時事通信

・衆院6回、東京9区 無派閥

・経産副大臣、党財務金融部会長、財務副大臣などを歴任。

・2007年、選挙区の支持者らに1つ約2千円のメロンを贈っていたと朝日新聞が報道した。事務所側は「現在の事務所スタッフに知るものがおらず、お答えのしようがない」と回答した。

・週刊文春が2016年、「菅原氏の愛人の告白」を報道。菅原氏が「女は25歳以下がいい。25歳以上は女じゃない」「子どもを産んだら女じゃない」など「モラハラ」発言をしたという疑惑や、経産副大臣時代に国会を休んでハワイ旅行に出かけていたと報じた。

・2016年、国会で山尾志桜里氏がブログ「保育園に落ちた、日本死ね」について質疑中に「匿名だよ、匿名」などとヤジを飛ばし、問題視された。

<国土交通>赤羽一嘉(61)

時事通信

・衆院8回、兵庫2区(公明党)

・元三井物産社員。北京駐在時に天安門事件に遭遇。阪神・淡路大震災で被災経験も。

・財務副大臣、経産副大臣などを歴任。

趣味・特技はラグビー、中国語、絵画鑑賞。

<環境>小泉進次郎(38)

時事通信

・衆院4回、神奈川11区 無派閥

・復興政務官、党厚労部会長、筆頭副幹事長などを歴任。若手政治家の登竜門「党青年局長」も経験。

・38歳での初入閣は戦後3番目の若さ。

趣味は「知らないことを知ること」。

・フリーキャスターの滝川クリステルさんとの結婚を首相官邸で報道陣に報告。「公私混同だ」と批判があがった。

<復興>田中和徳(70)

時事通信

・衆院8区、神奈川10区 麻生派

・環境副大臣、財務副大臣、外務大臣政務官などを歴任。

・政治理念は「常に市民の目線で、即断即決の分かりやすい政治」

・2011年10月「赤旗」は、自身の政治団体「新都市構想懇話会」が2006年に開催した政治資金パーティーで、指定暴力団稲川会系暴力団の関連会社に40万円分のパーティー券を販売していたと報じた。

<国家公安、防災>武田良太(51)

AFP時事

・衆院6回、福岡11区 二階派

・防衛副大臣、衆院安保委員長、防衛大臣政務官などを歴任。

・政策理念は「確かな国づくりに、全力投球!」。

・信条は「正気堂々」。

・趣味は、絵画、書道、ゴルフ、音楽鑑賞。

<1億総活躍、少子化>衛藤晟一(71)

時事通信

・参院3回、比例(衆院4回) 二階派

・首相補佐官(国政の重要課題担当)、党参院幹事長代行などを歴任。

・保守派の代表格の一人。日本会議国会議員懇談会の皇室制度プロジェクトの座長を務め、新元号の事前発表に反対する意見をまとめた。

<科学技術、IT>竹本直一(78)

時事通信

・衆院8回、大阪15区 岸田派

・旧建設省出身。

・財務副大臣、厚労働政務官などを歴任。

Twitterのカバー写真は、安倍首相と向かい合った写真。

・公式サイト「http://takemotonaokazu.com/」はアクセス不可(2019年9月11日現在)。

<経済再生、社会保障改革>西村康稔(56)

時事通信

・衆院6回、兵庫9区 細田派

・首相側近の一人。

・衆院内閣委員長、内閣府副大臣、外務大臣政務官、党筆頭副幹事長などを歴任。

・自身のTwitterによると、趣味はアジア・中東アフリカ・中南米の秘境巡り、マラソン、映画鑑賞。学生時代が陸上、野球、ボクシングに打ち込む。

<地方創生>北村誠吾(72)

時事通信

・衆院7回、長崎4区 岸田派

・防衛副大臣、長崎県議などを歴任。

・カトリック教徒。

・趣味はラグビー観戦。

・2018年、赤坂の議員宿舎の部屋が「ゴミ屋敷」のようだと週刊文春が報道した。

<五輪、女性活躍>橋本聖子(54)

時事通信

・参院5回、比例 細田派

・自由民主党副幹事長、外務副大臣などを歴任。

・元オリンピック選手。アルベールビル冬季五輪に出場し、スピードスケートで銅メダルを獲得した。

・1996年には現職議員としてアトランタ五輪の自転車競技2種目に出場した。

・2000年8月に出産。現役国会議員として2人目、園田天光光以来51年ぶりだった。これをきっかけに参院規則が改正され、産休制度がつくられた。

・2014年、打ち上げの席上で高橋大輔選手に無理やりキスを迫った「セクハラ疑惑」を週刊文春が報じた。

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